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教育の遺伝子化という考え方 2010.07.23

『教育の遺伝子化という考え方』

 こんにちは、船井総合研究所ビューティービジネスプロジェクトチーム
の岸本です。
 最近はエステティックサロン以外の業種の皆様とお会いする機会が多く、
それは、例えば、整骨院の方であったり、美容外科のドクターであったり
する訳ですが、皆様一様におっしゃるのはスタッフ教育の難しさ。
僕自身の考え方でもあるのですが、スタッフ教育に一番向くのが“夏”と
いうこともあり、今回はスタッフ教育をテーマに述べてみたいと思います。


 実は、サービス業、特にエステティックサロンでは“スタッフ教育だけ
に経営者の目が向いているエステティックサロンの業績は止まる”という
恐ろしい真実があるのですが、このことは案外一般には知られていません。
(誤解のないように申し上げると、スタッフ教育に力を入れてはいけない、
という意味ではありません)
これには2つの理由があり、1つは大半のエステサロンにおいて経営者
よりも能力と言う点では劣るスタッフの方ばかりを経営者が見続けること
で、経営者自身の成長が止まってしまうリスクが高い、ということ。
もう1つは、日々進化していく顧客や競合店等のマーケットを皮膚で感じ
取らなければ成長は覚束ないという極めて当たり前の理由によります。
 
そして、経営者がスタッフ教育だけに目を向けずとも十分な教育効果を
発揮できるのが“教育の遺伝子化”という考え方。

 僕自身はスタッフ教育にもレベル(段階)があると思っております。
それは、
 1.理解する
 2.できる
 3.定着する
 4.受け継がれる(遺伝子化する)
の4段階。

 例えば、接客教育などはその最たるものですが(そういえば先日僕がMC
を務めた、かの“接遇の達人”平林都さんのセミナーはとても興味深いもの
でした)、サロンが前述の4段階のどの段階にいるのか、は極めて分かりや
すいものとなります。■□その1 スタッフが教育を理解しかできていない段階
…………………………………………………………………………………………
 この段階にいるサロンでは、スタッフの基本行動に所謂“できていないこ
と”が頻発します。例えば、“自己紹介をお客様には必ず印象深く行う”と
いうような極めて簡単な項目でも、経営者にとっては“必ず”がポイント
なのに、スタッフにとっては“行う”という部分がポイントとなったりする
ことで、
“さっきのお客様に自己紹介ちゃんとしたの!”、“ウチのオーナーはやっ
ている所は全然見ないで、出来ていない所ばかり見る嫌な性格…”という
ような漫才みたいな行き違いが発生するのです。

 この段階での教育テーマは客観性であり、一番大切なのはスタッフとの
深いコミュニケーションとなります。従って、まだ、規模が小さい、
スタッフ人数が3人位までの間にクリアしてしまいたい段階でもあります。



■□その2 スタッフが教育内容を実行はできるけど続かない段階
…………………………………………………………………………………………
 例えば、20年前のエステ業界にとって正しい接客法=強いリーダーシッ
プを持った顧客誘導型接客だったように、時代の変遷と共に有効な接客手法
は変わっていきます。だからこそ、接客は日々進化しなければならないの
ですが、この段階のサロンはその変化についていけないのです。
例えば“お客様に前回来店時の情報を一言申し添えよう!”というような、
やや難易度の高い項目についても、最初の1週間位は続くのですが、
気がついたら誰も実行していない状態。
 
ここでの課題は一言でいうとマネジメント力であり、大切なのは仕組み化
する能力ということになります。前述のような場合であれば、スタッフの
意識に働きかけるだけでは前回来店時の情報(例えば、ハワイどうでした?
とか、お子様の受験結果とか)をお話することは定着しませんが、朝礼で、
お客様に話す内容を発表する仕組みを創ったり、カルテフォームを変える
などの努力でかなりのレベルまで改善されます。

 
■□その3 スタッフが教育内容を実行し続けることはできるけど
受け継がれない段階
…………………………………………………………………………………………
 
 この段階をクリアできれば、大半の経営者の教育モチベーションは倍増す
るのではないでしょうか。つまり、スタッフが退職するたびに同じことを
また、新人スタッフに教えるということから解放される訳です。

 この段階での教育テーマはサロンバリュー(価値)と売上の一致であり、
手法としては文書化ということになります。

 僕自身がコンサルタントとして日々感じているのが、このサロンバリュー
と売上が一致していないサロンがとても多いということ。よくあるのが、
“その場で契約させるために、○○(施術名)をご契約いただいた方には
プレゼント!”という手法は売上には有効ですが、
価値を下げることが多い。

 教育を受け継がれる(遺伝子化)ようにするためにはマニュアルで行動の
基本形を指し示し、帳票やミーティング体系で“気付く環境”を創ることが
何より大切ですが、この行動の基本形はある意味完成された、その場対応力
に一切頼らない、しかし、売上が上がるものでなければならない訳です。

 剣術の世界でも流派として強い流派と、個人が強いだけの場合に分かれる
そうですが、ここでいう遺伝子化は流派としての強さを追求することに
他なりません。
(そういえば今年旬の坂本竜馬が学んでいた“北辰一刀流”は流派として
強い代表ですね)


 僕自身が14年間コンサルタントを続けてきて感じるのは、“経営者の
突出した能力や興味”は起爆剤にはなるけど、その後の成長に大切なのは
バランスであり、決して教育だけに偏った経営は正しくはない、ということ
でした。

 ちなみに夏が教育に向くのは、4月入社の新人たちが一気に知識量を
増やし、成長が目に見えるときだからこそ、周囲の先輩スタッフたちも
大きく成長するチャンスだということです。


 ちなみに次回のダイエット&ビューティーで講演することが決定しま
した。詳細はまた当メールマガジン上でもお知らせしますが、
ご期待下さい。

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